きこいろ(片耳難聴のコミュニティ)BLOG

12月~公式サイトに移行します

BLOGの記事一覧(目次)

 

12月10日公式サイトをオープンしました。 

このブログの主な記事は、下記WEBサイトに移行中です。

新しい記事も、WEBサイトに掲載されます。

このブログは今後更新されません。

今後は、下記のサイトをご覧ください。

kikoiro.com

 

 


BLOG記事が増えてきたので見やすいように、整理しました。見たい記事をクリックすると、その記事が見れます。

 

▼主な記事の分類

 

 

きこいろのBLOG・twitterの見方

 

●BLOG

不定期更新。片耳難聴についてや活動報告などまとまった情報を載せています。

 

twitter

日々更新。ちょっとした片耳難聴にまつわる情報、イベント案内、BLOGの更新お知らせ、きこいろの運営メンバーのことなども呟きます。

 

※どちらも現在、きこいろ事務局の麻野が管理担当です。執筆や情報のリサーチを、言語聴覚士始めきこいろメンバーにもお願いしています。インタビューは随時いろんな方に受けて頂いています。皆さんに確実な情報をお届けできるよう、根拠を取った情報発信に努めています。

 

 

知識・情報について

聞こえの基礎知識

両耳の聞こえと片耳難聴の聞こえの違い

片耳難聴で困ること・助かること

片耳難聴の勉強への影響と、席の配慮

片耳難聴を人に伝えるときのヒント

片耳難聴が使える補聴機器(BAHA、人工内耳)

クロス補聴器・ワイヤレス補聴援助システム

片耳難聴「使えないサービス・使えるサービス」

リスニングテストと片耳難聴

 片耳難聴と子ども・ご家族

片耳難聴と音楽

片耳難聴とめまい・耳鳴り

おたふく風邪と片耳難聴

 

片耳難聴Cafe(交流会)について

片耳難聴Cafeとは、よくある質問

・1月4日 in 福岡県博多 募集中

・2月22日 in愛知県名古屋 募集中

・3月中旬以降 in 茨城県 調整中

 

片耳難聴レクチャー(学習会)について

片耳難聴レクチャー・ミニ個別相談について

in神奈川11/02(土)片耳難聴レクチャー (終了)

 

インタビューについて

 片耳と働く vol.3(水産系/必要なときに伝える派)

片耳と働く vol.2(ウェディングプランナー/伝えない派)

片耳と働く vol.1(福祉系/伝える派)

小耳症・外耳道閉鎖症(伝音性難聴/伝えない派)

中耳炎(伝音性難聴/あまり伝えたくない派)

ご家族(小学生の片耳難聴を持つお子さんの父)

 

きこいろについて

きこいろとは・会員募集


【運営メンバー紹介】ロゴ担当、UXデザイナー

【運営メンバー紹介】ご家族

【運営メンバー紹介】言語聴覚士

【運営メンバー紹介】音楽情報担当

 

講演・研修など

NPO主催関係者への勉強会講師

心理学会自主企画シンポジウム

 

きこいろは、片耳難聴を持つ人のQOL向上や過ごしやすい環境・社会つくりを目指し、ご協力下さる企業・行政・団体さまなどのご依頼もお受けしています。

 

研修、講演・講座、交流会など、「片耳難聴者」をテーマにした研修や交流会などを開催します。日頃から、学校の授業や関係機関での講演をしている専門職や、当事者のリアルな声をお届けすることができます。 対象に合わせ、1回完結のものから複数回で完結するものまで、内容やスタイルはご相談ください。

お問い合わせは、こちらのフォームよりお願い致します。 

 

 

 

問い合わせ先:

https://twitter.com/kikoiro

kikoiro.com@gmail.com

 

 

【インタビュー】めまい、周囲からの理解の得にくさ

12月10日公式サイトをオープンしました。 

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 ▼INDEX

 

 

< プロフィール >

・仮名:なのはさん

・年齢/性別:20代、女性

・仕事:在宅勤務

・聴力:右耳が聞こえない(110dB)左耳は健聴(0~10dB)

・原因:高3のとき突発性難聴

・平衡機能の障害:回転性のようなめまい・ふらふら感あり。1時間〜一日続くこともある。乗り物にも酔いやすい。

・補聴器:なし

・周りの人に伝えているか:オープン

・片耳難聴の受けとめ:悲観はしていない

 

 

1.小さなめまいが続くがゆえの苦しさ

あ:なのはさんは片耳難聴以上に、「平衡機能の障害」に困っていると伺いました。めまいやフラフラ感があるということですね。具体的には、どんな感じですか?

なのはさん仰向けになると、視界が回転して気持ち悪くなってしまいます。なので、歯医者や美容院のときに仰向けにならざるを得ず、わりと必死です..。

夜寝る時も仰向けではめまいが起こることがありますし、朝は気持ち悪さが残る事が多いですね。

あとは、首を逸らして上を向く姿勢もフラつきが出るので、高いところに目をやれないなど日常的に小さな支障を感じています

 

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(1)原因・治療

あ:原因や治療方法はわかっていないのでしょうか?

なのは:5年以上前に突発性難聴になってから、平衡感覚も悪くなったようです。

当初は「すぐ良くなるよ」と言われたのですが良くならず、いくつか耳鼻科にかかりました。それでも、原因はよく分からないと言われしまいました。

めまいの誘因が、血流不良による場合もあるからと薬を飲んだこともありますが、変わりませんでした。

あ:突発性難聴など「感音性難聴」の場合、平衡衡覚をつかさどる内耳に障害があるため、その影響が出るケースも考えられると言われています。しかし、原因の特定・治療法がわからない人も多いようです。

 

なのは:ドクターからも、あまり問題はないかのようにしか説明はなく、ネット等で調べても情報が少なく困りました。

「平衡機能」という言葉も一般的な言葉なのでしょうか・・。私は、ここ一年くらいの間に自分で調べて知ったのですが、自分のめまいの感覚を説明する言葉が分かりませんでした。だから、「めまいをどう説明するか」についても一人で随分悩みました。

 

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(2)困ること

あ:他には、どんなときに大変さがありますか。

なのはさん常にめまいへの不安がつきまとうのが辛いですね

私の場合、疲れるとめまいが起きやすく、真っ直ぐ歩くのが難しくなるときもあります。でも、外出先で気軽に休憩できる場所は多くないですよね。すると、外出が億劫になるんです。

疲れてもめまいが起きるし、めまいが起きること自体も疲れるので、常に体調に気を遣い続けなければならない窮屈な感じがありますね。

あ:慢性的な病気のつらいところですね。

 

なのはさん:他にも、周囲からの理解を得にくい点に大変さを感じています。

特に、私の場合は日常的にめまいやフラフラはあっても大丈夫なときもあるし、症状自体は歩けないほどでもないので、小さいと言えるだろう支障です。

だから、見た目では分かりにくい上、主観でしか辛さが感じられないような理解のしにくさがあるため、怠け者に思われるときもあります。

あ:誤解を受けることがあるんですか。

なのはさん:めまい症状があり、毎日出勤するような仕事が難しいため、私はいま在宅勤務をしています。

でも、それについて家族から「外に出なくていいね」「家にいるから楽だよね」と言われたり、「耳のせいにするな」「慣れないといけない」等と言われることもあって。

「甘え」と見られているんだな、と。

 

そんなことを言われ続けると、

「めまいが起こり続けるのは、自分が努力していないせいなのかもしれない」、「これは休むほどのめまいなのか」と、症状が軽いからこそ、それが本当のめまいなのか自分が信じられなくなるような感じがします。

そんな周りの言葉からどう自分を守れるか..というのは、まだ少し悩んでいます。

 

(3)工夫していること

あ:お辛い状況ですが、自分なりに工夫していることはありますか?

なのはさん:自分の症状をモニタリングをしています。

いつフラついたり、気持ち悪くなるのか、行動・状況を振り返って、きっかけになりそうなものは避ける・悪化しないようにしています。

あ:「めまい日記」というのもありますね。

このはさん:あとは、とにかく疲れたら何を捨ててでも寝るようにしています。

肩こりもめまいに良くない気がするので、ストレッチをしたり、解消のために試行錯誤したりしています。

drive.google.com
出典:めまい日記〜「めまいナビ」めまい・ふらつき・吐き気・頭痛・耳鳴り等の症状の情報サイト

 

 

.片耳難聴について

(1)伝えることで出会えたもの

あ:ここまでは、めまいやふらつきの障害についてお聞きしました。それでは、片耳が聞こえない点では、どうでしょうか。

なのはさん:発症したときはちょうど大学受験の時期で、勉強をしないといけなかったので落ち込んでいる暇がありませんでした。

 

大学時代も、ストレスは今ほど高くありませんでした。

というのも、めまいのために苦手な朝の時間帯には講義を取らないようにするなど、自分でコントロールができたからです。

ただ一つ、自分の耳のことを伝えるのは苦手でした。

 

あさの:今はオープンだけど昔はオープンじゃなかった、ということでしょうか?

なのはさん:片耳難聴であること自体は最初からオープンに出来ました。

ただ、「こういう配慮が欲しい」ということを相手に伝えるのが全く出来なくて……。

周囲の人が優しくないわけではないのですが、言ってもすぐ忘れられることが殆どなので、「私が頑張って聞けばいい」、と思っていて。

 

あ:その気持ちが変化したのは、何かきっかけがあったんでしょうか。

このはさん:大学生の時、10人ほどのグループになって会話をしたんですね。私は進行役だったので、その時だけは勇気を出して耳のことと「はっきり話して欲しい」ことを伝えました。

 

すると、一人の後輩が身を乗り出して、口をしっかり開いて話してくれたんです! 

いつもならすぐ忘れられるのに、その子だけは会話が終わるまでずっとそのままで。

終わった後も「あれで良かったか?」「どうすれば聞こえやすいかな?」と積極的に聞いてくれて。

 

言うのが恥ずかしくて、忘れられるのが悲しくて配慮を求めなかったけれど、

世の中にはそれだけじゃなく、覚えてくれる人や一緒に考えてくれる人もいるんだと、泣きそうになりました。

 

だから今は、そんな人達に会うために配慮して欲しいことを勇気を出して言うようにしています。

 

あ:それは、励まされるような体験ですね。

なのはさん:落ち込むことがあっても、腐らずにいれるのは、「一緒に考えてくれる人もいる」と教えてくれたあの体験があったからだと思います。

 

それから、自分のいる環境を変えられなくても、例えばtwitterを通して理解のある人と出会うみたいに、外に良い環境を得て行くことで少し気持ちも楽になりましたね

あ:変えられるものは変えて、変えられないものは他の場でもどこかで補えたら、少し楽になるのかも知れませんね。

 

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(2)落ち込んでも卑下はしない

なのはさん:また、片耳難聴になった自分と、片耳難聴によって起こる不都合を分けて考えられるようにすると、落ち着きを持てる気がしています。

あ:「自分自身」と「問題・課題」を離す考え方のコツですね。

 

なのはさん有川浩さんの『図書館戦争』の2巻は中途失聴の女の子のお話があります。片耳難聴になったときに、真っ先に浮かんだのがその本で、エピソードを通して「聞こえないということは可笑しなことではない」と思えました。

 

大学生の頃にも、しょうがい者を取り巻く環境・差別について調べ、そこで、障害を持つ事はハンデを負うということだけれど、それは「“障害のない人”中心の社会だからこそ辛いものになってしまうだけ」と学んだんです。

そんな風に社会のことや、受け入れてくれる人がどこかにいることを知ることが、「障害があるというだけで卑下はしなくいいんだ」、という思いの根拠になったんだと思います。

 

あ:これからどんな風に過ごしていきたいですか。

まだ落ち込むことも多く、上手くいかないこともありますが、まずは「知る」ことを大切にしていきたいです。

受け入れてくれる人がいること、片耳難聴のこと、他の人がどんな対処をしているのかなどを知ることで、自分がどう対処できるかを考えられると思っています。

 

(聞き手・執筆:事務局 あさの)

 ※文章・画像の転載はお控えください。

 

<過去の参考記事>

katamimito.hatenablog.com

 

<参考リンク>

日本めまい平衡医学会「めまいQ&A]「めまい相談医」

 

<直近のイベント>

 

katamimito.hatenablog.com

 

 

【インタビュー】vol.4 片耳と働く(地方公務員)

 
12月10日公式サイトをオープンしました。
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< プロフィール >

・仮名:けいさん

・年齢/性別:30代、女性

・家族構成:夫、子ども二人

・仕事:地方公務員

・聴力:右耳が全く聞こえない

・原因:25歳のときに聴神経腫瘍になった

・治療:手術のため1か月入院

・その他の症状:特になし

・補聴器の使用:クロス補聴器を検討するか悩み中

・他の人への開示:必要な時にしている

・片耳難聴の受けとめ:徐々に消化していった

 

▼INDEX

 

1.聴神経腫瘍

(1)病気の概要

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聴神経腫瘍 イメージ

●発症率:10万人に一人。片側のみに起こることが多い

●原因:はっきりと分かっていない

●症状:良性の腫瘍

・聴力の低下、耳鳴り

・めまい、ふらつき

・腫瘍が大きくなると、顔の麻痺や意識障害に及ぶケースもある

●治療:腫瘍の大きさ、年齢、全身の健康状態で検討する

放射線治療

・手術治療

・経過観察*1

 

 

(2)病気が分かるまで

あさの(以下あ):まず、聴神経腫瘍が分かったときのことを教えてください。

けいさん:診断を受けたのは、2010年です。

その2~3年前から、めまいや耳鳴りがあり地元の耳鼻科に通っていました。でも、めまいの薬を飲むと収まるし支障も感じない程度だし、仕事が忙しくて、あまり気に留めていませんでした。当時は、MRI(画像診断)は取っていなくて、聴力検査も異常はありませんでした。

 

それがある日、電話を右耳で聞こうとしたら、声が遠く聞こえなくなっていたんです。そこで初めて聴力が落ちていることに気づきました。慌てて、大きな病院へ行きました。その時は「突発性難聴」と言われ、服薬しましたが治らないので、5日入院しステロイド治療をしました。それでも良くならず、違う可能性があるかも知れないということで、MRIを取りました。

 

結果、聴神経腫瘍があるとが分かりました。告知のときに、医師に「家族の方は今日、来てますか?」と言われたので、これは何か大ごとだと、「あ、死ぬかも?」と思いました。なので、告知を受けて良性だったことにまずはホッとしました。

 

(2)病気が分かってから

あ:腫瘍が分かり、周りの方や職場にはどのように伝えられましたか。

けいさん:すぐにでも他の病院の専門医を受診するよう勧められたため、その足で仕事場に行って、事情を説明して休みを取りました。MRIの結果のコピーを上司に見せ、「腫瘍ができてしまって..」と。言う・言わないを悩むまでもなく、とにかく手術をするには休みが必要だったので、そのまま伝えました。

 

いまの夫になる相手にも、メールで事実を伝えました。やっぱり、入院するには伝えない訳にもいかないので。

 

あ:仕事や生活はどうされていましたか。

けいさん:診断後4ヶ月後に手術をしました。その間は特に制限もされなかったので、事前の検査で何回か休む以外は、ふつうに仕事をして、夜勤業務も通常通りにやっていました。日常生活も、いつも通りでした。

 

気持ち的には、原因がはっきりしたのと、手術をすれば命に問題はなく再発もしないと分かっていたので、大きく落ち込むことなく過ごしていた気がします。

 

逆に、もし今のタイミングでなったら、もっと落ち込むかも知れません。当時は、実家暮らしで術前術後も親の支えのある環境だったし、若さという勢いもあったし。今は、子どもに手もかかるので、手術となったら現実問題の大変さももっと大きそうです..

 

(3)手術

あ:手術については、どんなお気持ちでしたか。

けいさん:開頭手術を右耳後ろ辺りから行いました。

自分でもインターネットで分かる範囲で調べたところ幾つか選択肢があると知りました。病院では、年齢的に先も長いから、と手術を勧められました。腫瘍は年に1~2mm単位ですが大きくなり周辺を圧迫し、最悪は命にも関わる可能性もあると言われたため、すぐに手術を決めました。

 

聴力は、もしかしたら聞こえなくなるかも..とは分かっていたけれど、その時は、ほとんど気にはしていませんでした。耳のことより、まず命にも関わるかも知れない状況の方が明らかに大きかったので。

 

あ:オペの当日はどんな感じでしたか。

けいさん:終わった後も、聴力のことは頭になかったです。それよりも、全身麻酔で喉に挿管、鼻にもチューブ、足も血流を滞らせないために圧迫する装具がつけられていて、その痛みに困ってました..。

 

それから、私の場合はめまいが大変でした。近くのベッドにいた方は、全然問題なく動けていたので、個人差があるようですね。私は、きちんと歩けるようになるまで1ヶ月近くかかりました。

 

目が回ってしまって全く姿勢を保てず、寝返りを打つの辛くて。手術をした方を下にして寝るのは怖かったのですが、そのために動くのも苦労しました。初めは、病院のベッドのリクライニングを使って、少しずつ態勢を起こすのがやっと。1週間後くらい経った頃、頑張って立ってみるも支えがないと立ってられず..。

 

ひと月ほどで退院はしたのですが、それからもフラつく感じがあり、例えば、階段は手すりのある側を歩くとか。走れるまでに回復したのは、半年後くらいでした。

 

あ:その他に、術後に何か困ったことなどはありましたか

けいさん:神経の傷つく場所によっては、顔に麻痺が残るケースもあり、私も術後すぐは片側の唇が上手く動かせませんでした。例えば、うがいをしようとして水を口に含んでも、片方の口はちゃんと閉じれず、水が唇の端から零れてしまったり。でも、今はパッと見て分かるような後遺症としては残らず済んだので、不幸中の幸いだったとは思っています。

 

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2.片耳難聴

(1)聴力低下が分かって

あ:片耳が聞こえなくなったと分かったときは、どんな感じだったんでしょうか。

けいさん:手術が終わって、二日後くらいに「聴力は残せなかった」とドクターに言われました。そのときには「あ、ダメだったんだ」とガッカリ、結構ショックを受けました。

片耳難聴の詳しい情報は伝えられないので、実際どうなるかイメージがありませんでしたが、漠然とした不安、仕事に復帰できるか、生活できるのか..と悩みました。

 

腫瘍は2cmくらいの大きさになっていたので、10年くらいで進行したものだったんですよね。もし、もっと早く見つけていれば、聴神経にまでダメージはなく済んだのかも知れない。聴力を失わずに済んだのかも知れない。そう思うと、悔やまれる気持ちもあります。

 

でも、「命があるんだから良いじゃないか」と自分を納得させたようなところもあって。

周りの人にも、手術のことなど「ここの骨を取って、また戻したんですよー」なんて軽く・明るい感じで言っていましたが、実のところ内心は落ち込みもあって。そんな風に空元気のように言うしかなかった感じでした。

 

あ:時間が経つにつれての変化はありましたか。

けいさん:初めは落ち込む時間も長かったけど、徐々に浮上するまでの時間は短くなりました。「努力で聞こえが戻るものではないから」、と受け入れていきました。

 

また、聞こえなくはなったけれど、術前のめまいや耳鳴りがあった頃と比べたら今の方がトータルしたら楽になったとは思っています*2。耳は、位置などを調整すれば何とかなる部分があるけれど、めまいは、起きている間は収まるまで待つしかなかったので。

 

(2)両耳の聞こえから片耳の聞こえへ

あ:両耳が聞こえる状態を知っているからこそ、聞こえないこととのギャップが大きく感じるだろうなと想像しますが。

けいさん:そうですね。

 

例えば、居酒屋での飲み会は、両耳が聞こえていた時と、聞き取りやすさが違うんだなとは感じます。ザワザワの中でも聞こえていたのは、両耳が機能していたからなんだ、と。難聴側が聞こえないのは分かっていたけれど、騒がしい中でも聞き取りにくいこととは結び付いていなかったので、体験してみて気付きました。

 

音の方向感覚も分からなくなってみて、これまでは無意識に両耳で聞いて分かっていたんだ、と思いました。

 

思ったより大丈夫だったこともあります。

趣味の演劇の鑑賞は、聴こえなくなったことで影響がどう出るのか、「同じように楽しめるんだろうか」と術後の初鑑賞ではドキドキしていました。でも、案外と問題がなくて。音楽を重視される方や聞こえ方によっては気になる方もいると聞きますが、私の場合は今も、特別に席を端に取るなどしなくても観れています。

 

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3.仕事と片耳難聴

(1)仕事上で困ること

あ:経過観察を経て術後3か月ほどで復職されたとのこと。仕事上での変化はありましたか。

けいさん:音の方向が分からないことや、インカムをつけて仕事ができないなど、工夫・努力では補えない業務が出来なくなりました。支障のない、事務方の仕事をメインでしています。

 

あ:配属される課や業務によって、聴力基準が定められているんでしょうか

けいさん:「片耳難聴だからできない」という明確なルールがある訳ではありません。ただ、聞こえない中でわざわざ自分がやるかと言ったら自信もないな..という感じです。

 

ずっと憧れがあって入った職場なので、制約が出てしまうのは残念ではありますが、同じ組織の中で出来ることがあるので、それは幸運だったなと思います。

職場の中には他にも、突発性難聴等で中途片耳難聴になった方を数名知っていますが、それぞれで出来ることを、工夫しながら働いているようです。

 

あ:あまり困ったな..と悩むことはないですか。

けいさん:気持ちの面では、術後間もないころ、片耳が聞こえなくなったばかりの時期に、心配してくれていると分かっても、「治らないの?」「治療法はないの?」と言われるのは、ちょっと辛かったです。自分自身が、聞こえなくなったことに慣れていなかったし、消化できていなかったので。「治らないって言ってるじゃん」という卑屈な気持ちになることはありました。

 

あ:ただ事実、そういう気持ちがあるよなぁ..っていうのはありますよね。

 

(2)工夫していること

あ:仕事をする上で、意識していることはありますか

けいさん:聞こえないのは困るので、必要な度に伝えるようにしています。たまに「この人には聞こえないことを言ったけ」と自分でも分からなくなることもあります(笑)

 

いちいち伝えるのは面倒だし、アピールがしたい訳でもないのですが。自分一人で仕事をしているのではないから、伝えた方が周りも自分も楽だな、と。

 

例えば、電話を取ってるときに、話しかけられるときもあるので、部署の人には「メモに書いてください」と伝えてます。

デスクに着席していて失聴側から話しかけられたときも、話が長くなりそうなときには「こっちに回ってください」と言って、聞こえる側に来てもらっています。

 

あ:普段働くメンバー以外、不特定多数の一般の方などと関わるときはどうしてますか。

けいさん:一般の方に案内の対応などをするときもありますが、必要を感じないのでそこでは伝えていません。そういった場面では、自分のペースで話せるから会話しやすいし、聞こえない位置や賑やかな場所でもないので、問題なくやれています。

 

あ:伝えている職場の周りの人は、どんな反応ですか

けいさん:上司をはじめとして、もともと仲間意識の強い文化があるので、理解もある環境だと思います。公務員ということもあり、他の身体に障害を持った方も働いていますし。*3

 

職場全体では400人、部署は10人程度なのですが、普段関わりのある人にはずっと言っているので、配慮してくれるようになっています。

 

復職したときには、職場側から配慮として、右耳難聴が聞き取りやすい右端のポジションに変えてくれていました。聴力が落ちた時点で、すぐに上司に伝えていたのですが、その時点では座席位置の変更までは申し出ていなかったのに。

 

あ:それはすごいですね。もしかしたら、他の片耳難聴の方に接するときの経験があったのかも知れませんね

 

けいさん:今も変わらず、席は聞きやすいポジションにして貰っています。

 

それでも、職場でも日常でも、聞こえなさを伝えても、忘れられてることもあるんですよね。だけど、それをちゃんと気にし出してしまうと益々辛くなると思うんです。

あまり気にしないようにして、自分も周りも工夫できるところは工夫するのが、楽に生活していくためには大事かなと思っています。

 

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<参考文献>

耳鼻咽喉科疾患ビジュアルブック2018

日本聴神経研究学会 

・日本ガンマナイフ学会

・Neuroinfo Japan

 

<過去ブログ記事>

katamimito.hatenablog.com

 

katamimito.hatenablog.com

 

<直近のイベント>

*1:病状・治療方法などは、個別の状況によります。病気のご相談は、医療機関でお尋ねください

*2:手術後に耳鳴りが改善するのは、2割~6割とまちまちに言われている

*3:行政機関は、民間企業よりも「障害を持つ方の雇用」を行うよう定められている(障害者雇用促進法)。障害を持つ方も不利なく就労ができるようにするための法律。全体の2.2~2.5%、障害福祉手帳を所持している人の雇用率が目指されている

【イベントレポ】in横浜!片耳難聴レクチャー・個別相談会・片耳難聴Cafe

12月10日公式サイトをオープンしました。
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11月2日 in 横浜!

第2回目 片耳難聴レクチャー

第9回目 片耳難聴Cafe 

 

今回は、参加者のはろさん(20代・女性)よりレポートを頂きました!

 

※ 今後の開催予定

・12/14(土)13:00~15:00 岩手 Cafeのみ

・01/04 or 05福岡 Cafeのみ調整中 

・2月 名古屋 Cafeのみ

・3月 茨城 レクチャー&Cafe調整中

 

メール/Twitterのメッセージでお申込みください

 

 

▼INDEX

 

 

 

1.片耳難聴レクチャーって?

「片耳難聴について、知っているようで知らなくて」というご本人や

「Dr.からは“大丈夫”と言われたけど、もう少し詳しく知りたい」ご家族、

「仕事で片耳難聴を持つ方に関わることがあるから、理解を深めたい」関係職種の方。

 

そんなリクエストに応え、これまでの片耳難聴Cafe(交流会)に加え、レクチャー(勉強会)、ミニ個別相談会を行っています。

 

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タイムスケジュール

 

 

2.はろさんレポート

(1)参加した理由

これまでは周りに片耳難聴の知り合いがいませんでした。片耳が聴こえず困っても、1人でどうにかしてきました。そのため、「他の片耳難聴の人と話したい、話しを聞きたい」と思って参加しました。

 

企画者の「きこいろ」の皆さんには直接お会いしたことはありませんでしたが、普段からTwitterで様子がなんとなく分かっていて、安心して申し込みました。

 

 

 

(2)レクチャーを通して

一番心に残っていることは、きこいろ代表(当事者・言語聴覚士)岡野さんの「いつも困っているわけではない。でも “片耳聞こえているから大丈夫でしょ” とも思われたくない」という言葉です。

 

この言葉は、片耳難聴なのは自分が悪いから、どうにかしないと..迷惑かけないようにしないと..と思っていた僕にとって衝撃を与えました。

「“大丈夫じゃない”って思うのは、僕だけじゃないんだ」と、心が軽くなりました。

 

他の参加者さんの、片耳難聴の日常に ‶あるある″と感じる箇所で頷いている様子を実際に目にしたことで、安心感を覚えました。

会場にいるほとんどの人が、自分と同じように片耳が聴こえないのだと思えるだけで心強く、独り片耳難聴の自分が、聞こえる人たち大勢の中にいる時に感じる不安のようなものが和らいでいきました。

 

また、片耳難聴になる原因がいくつかあるらしいのは知っていましたが、詳細なデータは初めて見ました。

把握されているデータの中では、自分と同じタイプ(真珠腫性中耳炎)の人は少なく、そのことにも驚きました。

 

僕は、これまであまり自分の病気について調べることありませんでした。

でも、今回さまざまな情報を聞く中で、病気・片耳難聴のことを受け止め切れていなかった自分に気がつき、初めて「もっと調べてみよう」という気持ちが沸いてきた時間となりました。

 

 

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使用スライド一例

詳細:過去ブログ記事 

 

 

(3)Cafeで印象に残ったこと

片耳難聴Cafeでは、参加者の皆さんが聴こえないことを受け止め、ポジティブに捉えている様子が印象的でした。

 

僕は「迷惑をかけている。他の人と同じように聴くための努力をしないと、社会ではやっていけないんだ」という、葛藤が強くあります。人に「聴こえない」と伝えるのが苦手で、積極的に伝えることができていませんでした。

 

そのため、聴こえなさをポジティブに受け入れ、自分の人生を自分で生きやすくしている他の参加者の姿に、驚きと、強い人達だ、と感心しました。

 

同じ片耳難聴でも、受け止め方や開示の仕方はそれぞれ。でも、試行錯誤してきた他の参加者のリアルな語りから、そんな在り方もあるんだ、と納得感を得ました。

生きやすい場をつくれていないのは自分がそうしていたのかも知れない..と認識すると同時に、これからは前向きに伝えていこう、と思うことが出来ました。

 

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クロス補聴器の体験も可能

ソノヴァ・ジャパン様の協力を頂いています:https://www.kikoeblog.jp/?p=9570

 

また、希望者に提供された「ワイヤレス補聴援助システム」と「クロス補聴器」は、片耳が全く聞こえない人でも使えるデバイス。(詳細:過去ブログ記事にて

 

試した人からは、「(聞こえない方の音が)あ、え、聞こえる・・!」というびっくりした声。みんなで、聴こえない耳側の音が存在する瞬間を分かち合いました。

 

特に、成人後に聴神経腫瘍によって手術をし、片耳の聴力を失われた方は、聞こえていた頃を思い出し、「あぁ、この感覚だ..」思わず涙していました。

その方も、聞こえなくなった事実自体は、受け止められているとお話しはされていましたが、それまでのプロセスには様々な経験・想いがあるのでしょう。その様子に、周りの参加者もつられて涙ぐみました。

 

僕も感動し、自分が初めて補聴器をつけた時のことを思い出していました。少しでも聞こえる世界に近づけるのは、とても嬉しかったものです。

 

一方、「聴こえないからこそ、人の優しさに触れることも沢山あって良かった」と言っている方もいました。

確かに、誰かに助けて貰うことがある分だけ優しさに気づける良さがあって、そして僕自身もそんな風に誰かに優しく出来る人になりたいと思いました。

 

その他、話されたのは

・伝えている?伝え方は?

・就職の時どうしてた?他にも伝えることがあるし、優先すべきは?

・なにか良い工夫ある?など

 

約2時間のおしゃべりは、あっという間。

参加する前には上手く話せるか不安もありましたが、抱えていた悩みもスッキリ。楽しい気分で帰ることが出来ました。

 

今まで自分の中だけで向き合っていた片耳難聴。

参加したことで、具体的な知識だけでなく、同世代・先を歩んできた先輩方のお話しからも得ることが沢山ありました。

企画のきこいろさん、他の参加者さま、ありがとうございました!

 

(編集:事務局あさの)

 

3.イベント後記

(事務局:あさのより)

2019年3月~スタートした片耳難聴Cafe。今回のレクチャーも含めると、なんと約100名の方々とお会いしてきたことに!

 

レクチャーは、既にブログでお伝えしてる基本情報がメインとなりました。より理解度を深められるよう詳細や専門職ならではの小ネタを含めながら、質問時間も取れるようにしています。

Cafeでは、悩み・困ったを語り合いながらも、当事者ならではのユーモア・笑いの絶えない時間を過ごしてます。

 

参加したからって、劇的に片耳ライフが変わるものでもないでしょう。

でも、自分の経験や思いを言葉にできる場・していい場。それを「うんうん」と聞いてくれる皆の存在があること。

それらを日々の暮らしに持ち帰って、ふと片耳難聴で心に影ができたとき、思い出せたら。ちょっとだけ、心の影も晴れる、のかも知れません。そうだといいなー。と思ってます。

 

「また、参加したい!」「私の住んでいるところでもやってほしい!」とリクエスト頂いてます。開催に協力して下さる方も募集中です。ぜひ、よろしくお願いしますーーーーー。きこいろ会員申し込みフォーム

 

▼問い合わせ先

・Email : kikoiro.com@gmail.com

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▼過去のイベントレポート

katamimito.hatenablog.com

 

▼参考記事

katamimito.hatenablog.com

 

katamimito.hatenablog.com

 

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片耳難聴、伝え方のヒント

12月10日公式サイトをオープンしました。
このブログの主な記事は、下記WEBサイトに移行中です。
新しい記事も、WEBサイトに掲載されます。
このブログは今後更新されません。
今後は、下記のサイトをご覧ください。

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片耳難聴のお悩み、は聞こえの問題だけじゃなく

「どうやって伝えよう」

「いつ伝えよう」

「伝えにくいな」

「伝えても忘れられるんだよな」etc.カミングアウト問題!にもあるようです。

 

そこで、これまで片耳難聴Cafe計9回、記事インタビュー、アンケートなど約200人の皆さんから聞いた「伝える」にまつわるリアルな声を改めてまとめました。

 

(プライバシーへの配慮のため修正や、言葉の言い回しを変えたりしています)

 

聞こえ方はいろいろ、困りごとはいろいろ、感じ方はいろいろ。

伝える人も、伝えない人も、伝えたいけど伝えにくい人も、いろいろ。

 

「自分はどうしよう」というヒントになれば幸いです。

 

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1.伝える人の気持ち

・伝えることは、自分を守る方法。

 

 ・メリット、デメリットを考えて、伝えることを選ぶ。

・最初に伝えてしまうのが一番手っ取り早いと思っている。タイミングを逃すと今更感が出てくるし、初対面の人とは、聞こえずに誤解を生むより、コミュケーションを円滑にすることの方が大事だから。

 

・「無視された」とか、「話を聞かない人」なと誤解を受けたくない。

・親の立場で片耳難聴。子どもには小さい頃から伝えている。子どもに「自分が無視された」と思わせたくないから。

 

・就活のときも、始めから伝えていた。伝えて落とされるなら合わなかったということだし、言わないで「こんなはずじゃなかった」などと後から苦労するより良いと思うから。

・友達関係より仕事上の方が、逆に伝えやすいと思っている。業務を責任を持って遂行するために必要なことで、伝えるのは合理的なことと考えられるから。

 

・配慮して欲しいことをはっきり言った方が、周囲の人もどう接しっていいか分かっていいと思う。自分も片耳が聞こえなくなって初めて不自由さを知ったし、それまでの自分も誰かを傷つけていたかも知れないと思うから。知らないと配慮も出来ない。だから、お願いしたいことは溜め込まずに、その都度伝えるようにしている。

・もし自分の友達に片耳難聴で困ることのある人がいたら、言って欲しい。そう思ったら、自分も言おうと思った。

 

・他人は、人のことをそんなに気にしてない。

・特段、伝えたことで嫌な経験をしていないから言えている。 

 

・他人のことだから分かりにくくて当然。今は、「何度も言ってたら相手も思い出すようになるかも」と思いながらいつも伝えるようにしている。

 

聞こえなくてごめんねと卑屈になってしまうこともあるけれど、本当はみっともなくも恥ずかしいことでもないはず。

・「障害のことだから聞かない方がいいかと思って」と言われた経験があるけれど、違和感がある。人によると思うのに、なぜ障害だけ一括りの躊躇が生まれるのか。聞こえないことは悪いことじゃない、だから伝える。

 

 

2.伝える時の工夫

・自己紹介のときに、さらっと明るく、端的に伝える。「~~~です。すみません、片耳が聞こえなくて、こっち側に座らせて頂きますね」など。病気の理由などは、詳しく聞かれたときに話す。

 

・まずは、その場のキーパーソンになる人に相談する。キーパーソンに理解して貰えたら、その他の人にも理解を示してもらいやすいから。

 

求めることを具体的に伝える。

・お願いすることは、相手に無理のない範囲で、相手の立場に立って伝える。

 

・聞こえなかったら「すみません、聞こえにくくて、もう一度..」、

歩いてるときは「聞こえないから、こっち側がいいです」と動く、

賑やかな場所にいたら「少し大きめの声で話して貰えると助かります」、

授業のグループでは「聞こえにくいから、もっと小さな輪になろー近くによってー」

お店を選ぶときは「個室・(二人ならカウンター)でもいいですか(と自分が幹事になる)」、

お店の予約サイトの希望欄に「聞こえにくいので、可能であれば賑やかでない・壁側の席にお願いします」と書いたり、

上座下座は、下座の端を取るのが一番、

無理だった時は、伝えやすい上司であればコソッと「ちゃんとお話聞きたいので」とお願いしたり、

車など固定の席では予め「聞こえにくいから、聞き返しが多くなるかも」など。

 

・就活では、最終面接で伝える。履歴書では、マイナスの印象だけ与えて、他のところを知って貰えなかったら困るから。

伝える時は、マイナスではなく出来ることも伝える。「片耳が聞こえませんが、電話対応はできます」「片耳が聞こえませんが、これまで工夫をしながら○○はすることが出来ています」

また、それをプラスの価値に思ってもらえるように伝える。「片耳難聴を経験したことで、~~~いうことを学びました」

 

 

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3.伝えない人の気持ち

・生まれつきということもあり、自然と自分なりの対処の仕方を身に着けていて言わなくても何とかやれている。

・伝えなくても自分のキャラクターで何とかできるから、あまり伝えていない。天然キャラ、明るいキャラな感じで聞き返したり、自分で位置を調整できるときは聞こえやすいようにはしている。

・事務職だと、静かな環境だと案外大丈夫だから言わなかった

 

・配慮して貰うのも申し訳ない。

・口にすると「私、可哀想でしょ」と言う雰囲気になることがあったので言いにくい。

・タイミングを逃して、そのまま言えずにいる。 

 

・子どもの頃に、家族から「言ってはいけない」と言われた。

・理解されないと思い、言っていなかった。

・コンプレックスだから言えない。

・弱みを見せたくない。

・仕事の面接では、不利になるのが不安で伝えられない。

・子どもと関わる仕事をしているが、「伝えても分からない」と思うのと、保護者からどう思われるかも心配で言っていない

 

・片耳が聞こえないと伝えても10分後には忘れられてる。だから、いちいち伝えるのも面倒くさかったり煩わしいくなる。その場限りの人には伝えない。

・「聞こえないのではなく、聞いてないのではないか」と誤解されたり、信じてもらいないこともあった。片方が聞こえているから、相手からはもう片方が聞こえないなんてことは忘れられる。家族でさえ理解がないから、伝えるのを諦めるようになった。

 

 

4.伝える難しさ

・信頼関係を構築する前に、話すことが「責任を負わないことの単なる言い訳」になってしまう可能性や、話すことで問題の核心を曖昧にしてしまう時には、 あえて言わないようにしようと思っている。

 

・伝えるのが楽なのは分かっていても、言えないときがあった。そういう時は、耳をかいてるフリして聞こうとしていたり、電車内では広告を見るフリして傾けたり・窓の外を見るフリして身体を傾けて聞いていた。

 

・自分以外の誰かを最優先で考えてあげるべきシーンだと、唐突に自分の個人的事情を持ち出すことが難しい場合がある。

例えば、仕事関係で座席配置などに配慮しなければならないとき、自分の席が聞き取りにくいポジションであっても言い出せなかったり。

・実際に話して場の空気が重くなってしまったことがあるので、話す時には時と場所を選ぶ必要があると感じている。

 

・一般的には、片耳難聴について詳しくは知らないから、1〜10まで説明しなきゃいけなくて、そうするとその場の雰囲気が違う方向に行ってしまうな、とは思っている。

・言葉で言っても、体験しないと分かりにくいところもあると思う。

・「片耳聞こえればいいじゃん」と励ましのつもりかも知れなくても言われると、戸惑うし、「全然気にしないよ」と善意で言ってくれているんだろうけど、 こういう配慮して欲しいのだ..とお願いしなおす。

 

・「突然言われたら、相手も困るかな」と考えたりする。

・相手が忘れていた時、再度説明することが相手を責めるようで申し訳なくなる。 

 

 カップ, ドリンク, ハッピー

 

5.一部の人に伝える人の気持ち

・本当に困るときにしか伝えない。

・ごく一部の親しい人にのみ伝えている。

・学校の先生にしか言っていなかった。

・友人にも話したことはなかった。話したのは、結婚を決めた時だけ。「引かれたらどうしよう」と思ったが、普段の生活に大きな支障がないからか特に気にされなかった。

 

 

6.徐々に伝えられるようになった

・ずっと伝えていなかった。でも、ここ最近は昔より、片耳難聴の認知度も上がってきたと思う。片耳難聴について、言いやすい世の中になってきた気がする。

 

・重く受けとめていた訳ではないけれど、皆に、片耳難聴だと言えるようになったのは、つい最近。初めは勇気がいった。言ってみたら、次のハードルは案外軽かった。

・段階を経て、「自分は自分、聞こえないのは仕方ない」と思えるようになったら、人に言えるようになった。

 

・配慮して貰うのが申し訳ない気がして、あまり積極的に開示したりお願いをしていなかった。でも相手のためにも言った方がいいと考えたら、もっと気楽に言ってみようと思えた。

 

・以前は一度伝えたのを忘れられてしまったら「言ったのに」と思ってたけど。近しい人でも忘れるから、そういうものと割り切って、自己紹介やその都度言うようになった。一度言っておくと、その後も言いやすくなくなった。

 

・話ができているから、言わなくても気付かれないでいた。就職の際に、「隠した方が良い」と言われて、言わないままにしてきた。でも最近、周りの人が良い人で信頼できると感じたため伝えてみた。すると、配慮してくれる場面も出てきて良かった。

・特に新人の頃は、聞こえない側に上司がいたら気を遣って大変だった。年やキャリアを重ねると、言いやすい立場になって少し楽になる。

 

 

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 (執筆:事務局あさの)

 

 

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知っているようで知らないこと(イベントレポート)

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初開催!

片耳難聴レクチャーを行いました。

 

「自分の片耳難聴について、知っているようで知らなくて」というご本人や

Dr.からは“大丈夫”と言われたけど、もう少し詳しく知りたい」ご家族、

「仕事で片耳難聴を持つ方に関わることがあるから、理解を深めたい」関係職種の方。

 

そんなリクエストに応えて、

これまでの片耳難聴Cafe(交流会)に加え、

レクチャー(勉強会)を行うことにしました。

 

 

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INDEX

  

片耳難聴レクチャーの様子

今回は、広島にて開催。*1

 

 

当日の朝に、イベントがあることを知って急遽申し込んで下さった方や、直接会場にお越しくださった方もいらっしゃいました。*2

 

参加者は、20代~40代までの20名。

 

片耳難聴のご本人をはじめ、

「聞こえの微妙さが片耳難聴と通じる部分が多い」という軽度の両耳難聴の方、

片耳難聴のあるお子さんをお持ちのご家族、利用者さんに片耳難聴の方がいるというリハ職など。

 

 

 

講師は、きこいろメンバーの言語聴覚士

事前アンケートで参加者のニーズに合ったお話しが出来るようにしています。

 

今回の構成は

Twitter・ブログでも紹介している基本的な内容を中心に、さらに深堀するような内容となりました。

     聞こえ・聴覚障害の基礎

     片耳難聴のメカニズム

     片耳難聴の対応のコツと補聴機器の紹介 

 

▼使用したスライドの例

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難聴の聞こえ方のイメージ例



 

ミニ個別相談

前半レクチャーで知識のキャッチアップをした後は、ミニ個別相談 or 片耳難聴Cafe

同じ時間帯に部屋を分けて行うため、どちらかを選んでの参加となります。

 

ミニ個別相談会は、聞こえの専門職である言語聴覚士が一対一でお話しを聞きます。

 

「片耳難聴Cafeのようにグループでは、話しにくい個人的なこと」

「より具体的な質問・解決がしたい」

「仕事上で関わりがあり、より専門的な見解を聞きたい」

などといった方の相談に応じます。

 

一人20という短い時間での相談となるため、対応できることに限りはありますが、「片耳難聴について相談先があまりない」という課題に対し、まずは一歩だけでも力にになればと思っています。

 

(ミニ個別相談も初の試みでした。よりニーズにフィットしていけるよう今後も検討していきます)

 

 

 

補聴機器の体験

前回からに引き続き、ソノヴァ・ジャパンさまのご協力を頂き、「ワイヤレス補聴援助システム」「クロス補聴器」の体験もご用意しました。

 

これまでは、この二つについて知らない方も多い印象がありましたが、今回の参加者さんは体験をしたことがある方も多くいました。

 

「補聴機器を使うほどまでは困っていない」という方もいれば、

「使いたいけれど、どれが良いのかよく分からない」「使っていたけれど、自分には合わなかった」など、様々な声が聞かれました。

 

 

片耳難聴Cafeの様子

個別相談と同時間帯の裏側では、お馴染みの片耳難聴Cafe (8回目)

レクチャーの感想や自分の体験などをざっくばらんに共有しました。

 

話されたことの一部を簡単にご紹介します。

 

 

(1)日常生活について

・これからマスクのシーズン。余計に聞き取りにくくなる。音だけ通すマスクがあったら便利そう。

聞こえなくて「え?」と聞き返すとき、広島弁だからかキツク聞こえてしまうよう。

・聞こえないときは、全然違う言葉を使って聞き返して笑いを取ることもある。

・音楽を聴くときはモノラル設定にしている。

・めまいのある人もいる。「脱水機で回されている」かのよう。無理しすぎないことが大事。

・"耳鳴り”という概念が分かっていなかった子どもの頃、「ニュータイプの音だ!」と思っていた。

 

(2)伝えることについて

・伝えなくても自分のキャラクターで何とかできるから、あまり伝えていない

・生まれつきということもあり、自然と対処の仕方を身に着けているから何とかやれている

・友達関係より仕事上の方が、逆に伝えやすいと思っている。業務を遂行するために必要なことで、伝えることは合理的だから。

・両耳難聴やろうの方と会うことがあったとき、聴覚障害聴覚障害」と一括りで思っていたが、そんなことはなかった。千差万別。

聞こえる・聞こえないの感覚はお互いに理解が難しいから、伝えるときは工夫が必要。

 

(3)仕事について

インターンに参加した職場に就職。当初から聞こえないことは言っていたが、理解して貰え採用まで至った。

・ITやベンチャー気質、少人数規模の職場という環境で、配慮して貰いたいことは相談/交渉して試行錯誤できている。

テキストベースのやりとり、席の位置の変更、聴覚過敏のため耳栓をしての作業、リモートワークの導入を検討するなど

・数十年前から務めているが、昔ながらの企業文化だからか、片耳難聴のことを伝えても、席の変更などはして貰いにくい。

・医療関係職の現場では、「復唱」が誰にとっても基本。だから、聞こえずに聞き返すのもあまり不自然にならない。

・業務の「予習」をしている。

知らない言葉は、聞き取りにくいとさらに理解が難しい。事前にちょっとでも情報を入れておくと、聞き取りにくくても推測しやすい。

業務の流れも把握しておくと、次に何が話されるか選択肢が絞られるから、予測もしやすくなる。

仕事を覚えるのも早くなるし、質も上がってお得。

 

 

毎回、皆さんがとっても良い人達ばかりですごいなぁ…と感じています。

それぞれ初対面でバックグラウンドや価値観も異なるのに、真摯に話を聞き合い、お互いの大変さを想い合える、そんな時間でした。

 

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広島の皆さん、ありがとうございました!

 

 

今後の予定

11/02(土)神奈川 レクチャー&Cafe

 開催終了片耳難聴レクチャー&片耳難聴cafe | Peatix

 

12/14(土)13:00~15:00 岩手 Cafeのみ

・1月福岡 Cafeのみ 

・2月名古屋 Cafeのみ

・3月 茨城 レクチャー&Cafe調整中

 

メール/Twitterのメッセージでお申込みください

 

▼問い合わせ先

Email : kikoiro.com@gmail.com
twitter.com

 

 

▼参考の過去記事

katamimito.hatenablog.com


katamimito.hatenablog.com

 

 (執筆:事務局 あさの)

*1:毎回、県を超えて遠方から来て下さる方がいます..!

有難いけれど申し訳ないような、複雑な気持ちです。

もっと皆さんの身近で気軽に参加できる形をつくれるよう、今後の活動や体制を考えています

*2:申し込み方法が分かりにくく、ご迷惑をおかけしました..。エントリーフォームの利用ができない場合は、メールやTwitterのメッセージでお問い合わせください

片耳難聴者が集まったら・・(片耳難聴Cafeレポ)

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9月14in大阪!

片耳難聴のしゃべり場、片耳難聴Cafe、第7回目!を行いました。

 

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「片耳難聴Cafe」とは?詳細はこちら。

 

今回は、初の試みとして参加者のZUZUさん(大阪在中・40代女性)にレポートを書いて頂きました!

参加者目線でリアルな片耳難聴Cafeの様子が伝われば幸いです。

 

INDEX

 

 

全体の様子

20代~50代の男女6名が集まった。なんと、はるばる石川県からお越しの方も!

 

私は、以前のオンラインでの片耳難聴Cafeに参加していて事務局の麻野さんとは面識があったが、それ以外の方は皆さん初対面。また、当日は、新聞社の取材も入り、皆さん少し緊張しながらスタート。

 

初めに、それぞれネームプレートを書いて、席決めをする(本名じゃなくニックネームなどでもOK)。ネームプレートは難聴の左右の耳によって色分けされていて、一目でわかりやすい。

 

片耳難聴者にとって席の位置は非常に重要だ。右耳難聴の方は、左隣が落ち着き、左耳難聴の方は、右隣が落ち着く。

 

まずは、自己紹介タイム。

A4サイズの紙に、参加者に見える様にマジックで大きく書く。話すのが苦手な人にも話しやすいように。話していることが、聞こえづらい人にもわかるように、と。

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主に話されたこと

6人集まれば6人様々な症状、経験がある。

先天性は、生まれつき、もしくは物心ついた時から聴こえない。

後天性は、中学生の時に突発性難聴で、など。

先天性と後天性では、感じ方や経験も違うし、原因によっては、天候や体調で耳鳴りやめまいの不調に悩まされる方もいる。

年代や、性別、タイプによっても感じ方や日常的な対応の方法もそれぞれだが、共通するところも多い。

皆の発言に大きくうなずきながら聞く。

 

「片耳難聴であることを、身内と親しい友人にしか伝えていない」

「片耳難聴だと言えるようになるまで40年かかった」

「片耳難聴ということ自体が変わらなくても、学生の時と社会人になってからでは、困ることが変わった」

「片耳が聞こえないと物理的に不便な職場に就職してしまい(聞こえるポジションを移動できない空間的な問題)、工夫のしようがなく、潔く諦めて転職した」

「聞こえる振りをするので会話が噛み合わないことがある。不思議ちゃんと思われることがある(性格的にも、そうなのかも知れない・・笑)」

「飲み会は、会話が聞こえにくいので苦手になってしまう。でも、幹事をやると、幹事は端の席に座れるので積極的に幹事をする」

 

特に、たくさんの人が集まる場所では、「片耳難聴のことを伝えにくい」というのが全員感じているところ。

 

予め伝えていても、相手にもちろん悪気はないけれど忘れられてしまったり。聞こえなかったときに聞き返すのも、ワイワイした雑談では盛り上がりを中断させてしまうから、そう何度も出来なかったり。

 

どうやって伝えるかとか、そもそも聞こえないとここで言うべきかとか、やきもきしながらいるうちに、伝えることそのものが面倒に感じられたり。

 

伝えないと相手に分かっては貰えないし、一見、耳が聞こえないとは分からないのだし、他人から覚えて貰いにくいのも仕方ないと頭で理解しつつも、悩ましい、と皆が大なり小なり経験してきたようだ。

 

 

印象に残ったエピソード

参加メンバーが、これから就職する20代と人生の後半戦を迎える4050代の年代が集まったということで、「働き方」について話してみようということになった。

 

ある大学生には、消防士になる夢がある。小さい頃からの夢。そのために努力している。

でも、職業上、片耳難聴がハンデになり、応募に躊躇している。

少しでも、採用する側・周りの人に大丈夫だと思ってもらえるように補聴器の使用も考え、現在は試用しているという。

 

いま40代の私は、就職する頃は、諦めていた。やりたい仕事ではなく、できる仕事を探した。「片耳難聴だからこの職種は無理なんだ」と初めから諦めていた部分があった。

また、同年代の女性は、やりたい業界の中でも、もし聞こえないことがあっても大きなミスに繋がらない職種を選んだ、と言う。

 

そういう選択肢もある、それも工夫だろう

でも、いま、時代は変わってきている。

少しずつだが社会の理解も昔ほど悪くはないと思うし、困ったときに、こうして集まったり、インターネットを通じて情報を得ることができる。

今の若い人たちは、もっと自由に、選択肢があって、希望がある。

 

さて、片耳難聴と共に消防士になるためには、どうしたら良いだろうか。 

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問い合わせたところ、エントリー自体は可能だが、片耳難聴をどう判断されるかは分からないとのこと。前例はないようで、就職してから突発性難聴になった例ならばあるようだ。

合格するには、ハンデをはねのけるような強い意志と、アピールポイントを身につける。他に何ができるだろうか。

皆で、自分の体験を共有しながら、考えた。明確な答えはでなかったけれど、その場にいる皆が心から応援したい、と思った。

 

 

補聴機器の体験

今回、片耳難聴Cafeの時間の中で、希望者はロジャーという「ワイヤレス補聴援助システム」を試すことができた。

 

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(※ソノヴァ・ジャパン社の協力で機器の貸し出しがされている)

出典:https://www.phonakpro.com/jp/ja/HOME.html

 

 初めて試す人がほとんど。

私は、ずっと昔、耳鼻科で補聴器の相談をしたとき「補聴器つけても変わりません」と言われて以来、補聴器は無縁のものと諦めていた。だから、片耳難聴でも使えるものがあることに感激した。

 

これは、聞こえる耳に受信機を付けて、この丸い集音のマイクをテーブルに置いて使う。

実際につけてみると、ずいぶん楽に話が聞ける。 飲み会のとき、ざわざわしてるところ、立ち位置が変われない時にとても役立ちそう。

ずっとつけているには、音がダイレクトに伝わるからか疲れる感じがあるという人もいた。慣れたら変わるのだろうか。

 

また、機械をテーブルに置くことで、周知してもらえるメリットがあると感じる。「片耳難聴者です!!」との、アピールは、普段は口で伝えるしかないのだけど、ロジャーを置くことで視覚でも周囲に訴えられる。

ロジャーを置くことの、はじめの勇気を乗り越えられたら、あとは、ずいぶんと楽になれるだろう。

 

みなさんの感想

「初めて、自分以外の片耳難聴者と話をした」

「気持ちを共有できて嬉しい。また参加したい」

「皆さんの話を聞いて、片耳難聴のせいにしてきたことは、自分自身の問題でもあったかも知れない。もう少し積極的になってみようと思った」

参加された皆さんが笑顔で帰っていく姿が印象的だった。共感できる場があること、それだけで励まされる。

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私自身は、今回皆さんのお話を聞いて、自分にも片耳難聴について発信する役目があるのだなと感じた。

 

言わない・言えなくなる原因は様々で、「片耳が聞こえるからいいじゃないか」などと周りの人に言われた経験がそうさせるのかも知れない。少なからず心が傷ついた経験をしている。私も悩んできた。

 

でも、もう今なら言える。40代、そういう人生の段階だ。

だから、これからは、自分のためにも、周りの人のためにも、片耳難聴のことを伝えていこうと思う

 

今回、片耳難聴Cafeで話したように、相手にも分かりやすいように、ちょうどよく片耳難聴のことも、自分のことも、話していけたらいいと思う。

 

そんな明日からの目標のような、勇気を抱いた時間だった。

皆さん、ありがとうございました!

 

(執筆:ZUZUさん)

(編集:きこいろ事務局 あさの)

 

 

 今後の予定

・10月19日 in 広島

kikoiro-lecture1.peatix.com

 

・11月2日 in 神奈川

kikoiro-lecture2.peatix.com

 

・12月14日 13時~15時 in 岩手一関駅最寄り
 (片耳難聴Cafeのみ)

 

 

【報告】シンポジウム発表・様々な難聴と支援

12月10日公式サイトをオープンしました。
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9月11日~13日in大阪立命館大学茨木キャンパス

日本心理学会にて自主企画のシンポジウムに、中の人(麻野)が参加してきましたのでご報告します。

テーマは、「難聴者と合理的配慮について」

 

(なぜ、心理学会?というと、事務局麻野の本来の専門領域は、心理学周りのためです)

(熱く語ってしまった感があって消したいけれど笑、「あさののpassionが見たい」という読者さんの声を真に受けて、そのまま投稿します・・) 

 

きこいろは、片耳難聴を持つ人のQOL向上や過ごしやすい環境・社会つくりを目指し、ご協力下さる企業・行政・団体さまなどのご依頼をお受けしています。

 

研修、講演・講座、交流会など、「片耳難聴者」をテーマにした研修や交流会などを開催します。対象に合わせ、1回完結のものから複数回で完結するものまで、内容やスタイルはご相談ください。

お問い合わせは、こちらのフォームよりお願い致します。 

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▼INDEX

 

 

そもそも「合理的配慮」って?

 

reasonable accommodation リーゾナブル・アコモデーション*1

一人ひとりの特徴や場面に応じて発生する障害・困難さを取り除くための、個別の「 accommodation:調整・調和・便宜・変更・和解」のこと。

 

また下記の記事でも、「合理的配慮」について触れています。

リスニングテストと片耳難聴

 

今回のシンポジウムの「合理的配慮」は、難聴の方が参加されていたので「情報保障」が行われました。

情報保障とは、「人の知る権利」を保障するためのもの。身体的事情により情報を得られない場合に、他の手段を用いて情報を提供する。

聞こえの情報保障

・手話通訳

・要約筆記(ノートテイク)(パソコンテイク)

・字幕

音声認識

・筆談

 

今回は、写真のようにパソコンテイクを業者さんに依頼しました。

それでも、話し言葉のスピードにパソコンの打ち込みが追いつかないもの。分かりやすいよう丁寧に話したつもりですが、まだまだ反省点が沢山です・・・。

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PCに打ち込んだ言葉をスクリーンに映します

出典:パソコンノートテイク研修会 | 國學院大學 取材日誌

 

 

 

発表について

 シンポジウムのテーマ

日本には、「身体障害者手帳」の取得をしていない・できない人も含めると数百万人以上の難聴・聴覚障害を持つ人がいると推定されている。

難聴者、聴覚障害を持つ方への支援、聞こえづらさは多様であること、
聴覚障害のイメージの実態、難聴予防の実態など、幅広く話題提供し、よりよい配慮や支援について考える。

 

私は、片耳難聴についての概要と、片耳難聴Cafeから考えたことをお伝えしました。

話題提供の一枠20分という短い時間でしたが、「片耳難聴」という言葉や状態を知らない方もおり、「色んな聞こえがある」という理解の幅を広げる機会になれたなら良いな、と思います。

 

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発表資料の一部(あさの作)

 

両耳難聴の方からは、「片耳難聴の気持ちの悩みは、両耳難聴とも共通するところがあると思った」と感想を頂きました。

 

 他の話題提供

(かっこ)は、私の感想です。

 

・大学での情報保障

(ノートテイクを受ける学生が、「大学に対する遠慮」「自負心(社会に出ても困らないように、大学でも人に助けて貰わないで自分一人で何でもこなしていきたい)」という心理的葛藤を経て、ノートテイクの ”利用” を選択するというプロセスに気持ちが揺さぶられた)

 

・高齢の難聴の方に求められる支援

(「片耳が重度難聴の場合は、100%の高齢者が耳鼻科受診するものの、両耳が中等度難聴の場合は、80%が耳鼻科を受診しない」(佐野2017)というデータは興味深かった。自覚のしにくさ。」)

 

・高齢の難聴者が看護師に期待するコミュニケーション

(「過去の教科書には、『高齢者は高い声が聞き取りにくくなるため低い声で話しかけるのが良い』とあり、4割(240人中)が実践し、反対にハッキリ話すことが1割未満だった」ことに驚いた)

 

・地域の難聴サークルの実践

 (聞こえる人への啓発活動をした際に「『聞こえにくい、と難聴者が人に伝えることが言いにくさがあるというのを始めて知った』という参加者の感想があった」というのに、一般的な認識を考えた)

 

 

「見えない」「分かりにくい」「理解しにくい」大変さに、どうお互いが関わっていくか・・。

 

「合理的配慮」というルールが出来たらALL OKなのではない。その中身を詰めていくのは、自分たち一人一人。

配慮は、してもらうだけじゃなく・する側になることだってあるし、する側だけじゃなく・してもらう側にだってなる。本来はシーソーのようなもの。どうやってシーソーに乗りますか?という問い。

 

片耳難聴に限らず、人それぞれある苦労。それらを全部を100%知って、100%バリアフリーにする、というのは無理だと思う。

でも、目の前に出会った人がいるならお互いを知って、お互いがハッピーに過ごすには何が出来るか?を考えていきたいなと改めて思いました。

 

私の場合は、せっかく自分が片耳難聴という経験を頂いてるので、まずは自分の体験を通して、これからも考えていきたいです。

 

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大阪の皆さんありがとうございました

 

オーディトリー・ニューロパチーとは

そして今回、自主シンポジウムを企画してくださったのは、「難聴者の心理学的問題を考える会」の勝谷さん。

 

勝谷さんは、後迷路性難聴のオーディトリー・ニューロパチー(Audiory Neuropathy)の当事者でもあります。

(片耳難聴と症状の共通する点はあるが、片側のみはまれで、AN患者中の4%と報告がある)

 

勝谷さんは、子どもの頃から聞こえにくさで耳鼻科にかかりますが、正確に診断ができる医者も少なく(医療関係者の中でも認知度自体も低い)、何十年と苦労されてきたという話を伺いました。

 

(以下、勝谷さんのサイトより一部引用・あさの加筆) 

 
●概要
・1996年に報告されたた疾患概念。

・稀な疾患であると考えられてきたが、先天性難聴の中に5%前後含まれることがわかっている。

外耳、中耳、内耳機能は正常聴力検査は軽度~中等度の難聴。

●主訴:

・音は比較的聞こえているが、言葉の聞き取りが悪い (語音聴力検査値50%以下

・対面での一対一の会話はできるが、周囲に雑音があると一対一の会話も困難

・電話の聞き取りが悪い

・音楽のメロディーはわかるが、歌詞は聞き取れない

・テレビドラマは音楽と会話が重なると音楽が聞こえてしまい、会話が聞き取れない

・耳鳴り

 ・原因:

遺伝子変異

ビリルビン血症の後遺症

不明のケースもあり 

・治療: 

人工内耳手術(効果がみられたという報告が多い)

補聴器(効果があったという報告が少ない)

ここまで小川 郁(編)(2010)「よくわかる聴覚障害ー難聴と耳鳴りのすべてー」(永井書店)とStarr, & Rance, 2015を参考に作成。


sites.google.com

 

※オーディトリー・ニューロパチーと似ているけれど異なる疾患

※片耳難聴ともまた別のもの

聴覚情報処理障害(APD)のサイトにようこそ!! - apd-community ページ!

https://www.amazon.co.jp/きこえているのにわからない-APD-聴覚情報処理障害-の理解と支援-小渕千絵/dp/4761407859